ハウマッチ?!破産にもお金がかかるという無情・・・
- 2015/8/18
- 債務整理
お金がないから債務整理したいと思ったら・・・
お金がないから債務整理したいと思ったら債務整理にお金がかかる?な、何を言ってるか分からないかもしれないが、これは紛れもない事実です。
たとえば、任意整理によって総額200万円の借金を150万円に減額できた場合にこの費用に20万円かかったとすれば、結果として30万円支払額が下がったということになるので、お金がかかるといってもトータル的には損をするようなことは普通ありません。とはいえ、30万円支払うくらいであれば、自分でやればいいじゃないかとも考えられますが、任意整理を個人で行っても相手方がそれに応じてくれるかは疑問です。やはり専門家が入ることにより相手方も交渉のテーブルにつくという性質のものですので、債務整理にもお金がかかるというのはそういうものだと思っていただくしかありません。
債務整理と一口にいってもやり方はいくつかあります。そして、そのやり方によって得られる効果も負うリスクも異なってくるのですが、その費用も異なってきます。そこで、個人の場合と法人の場合、個人・法人同時にやる場合とに分けて各々見ていきます。なお、各手続の内容については別の記事等でみていくこととします。
個人の場合の債務整理費用
個人の場合の債務整理としては、主立ったものとしては任意整理、個人再生、自己破産といったものが考えられます。
任意整理の場合
任意整理については、多くの場合任意整理を行う相手の数に応じて費用がかかることが多いです。借金している会社が多ければ多いほど費用はかかることになります。交渉する会社が多ければその分時間もかかるうえ、内容証明郵便等の連絡の数も増えるので実費もより多くかかることになるからです。これに加えて減額できた場合や過払い金を得られた場合には成功報酬がかかる事務所が多いといえます。さらに内容証明郵便等の連絡にかかった実費もかかります。
弁護士費用は各弁護士や法律事務所によって異なりますが、だいたい、1社あたり4万円、成功報酬として減額幅や取得金の10%程度に設定しているところが多いのではないでしょうか。
3社合計200万円の借金が150万円に減額できた場合には、実費を除いて17万円(4万円×3社+50万円×0.1)の費用がかかるということになります。
個人再生・自己破産の場合
個人再生や自己破産については、裁判手続が中心となるので一括して費用がかかることが多いです。債権者からの支払督促を止めるために内容証明郵便等の連絡を行うなど裁判費用以外にも実費がかかります。
費用の平均としては自己破産・個人再生ともに各30万円程度の着手金がかかります。個人再生の方が手続が煩雑になるため自己破産よりも10万円程度高く設定されていることが多いですね。
これに加えて、個人再生の場合には減額できた額について10%程度の成功報酬がかかることもあります。ただし、資産や債務額等により管財事件となれば予納金がかかり、これが高額ですのでかかる費用も大幅に変わります。予納金については、最後に東京地裁の例を記載いたします。
たとえば、同一事務所の場合に、500万円の借金を自己破産した場合には30万円程度と実費がかかります。500万円の借金を個人再生した結果100万円に減額できた場合には30万円程度の着手金と40万円の成功報酬が及びに実費がかかることになります。
法人の場合の債務整理費用
法人の場合の債務整理としては、任意整理、民事再生、法人破産といったものが考えられます。このほかにも会社更生や特別清算、倒産ADRなどがありますが、今回はより一般的な3つをみていくことにします。
任意整理の場合
任意整理については個人の場合とほとんど変わることはありません。ただし、個人よりも法人の方がより多くの会社から借りていることが予想されますので、1社ごとに着手金を取得する仕組みである以上費用がかかることが考えられます。
民事再生・法人破産の場合
民事再生や法人破産は裁判手続にかかる費用がかかる上に、事業についても考慮しながら手続を進行するなど個人よりも煩雑な手続が予想されます。したがって、必然的に個人よりも費用がかかることになります。さらに、法人破産は管財事件となります。そして、破産管財人に支払う予納金は各裁判所により定められていますが、東京地裁の場合には原則として20万円と考えておいていただければ大丈夫です。
民事再生の場合であれば着手金100万円以上、成功報酬が減額分の10%というのが一般的です。法人破産の場合も着手金80万円程度といったところでしょうか。ただし、法人はその規模について大小違いがかなり大きく、その債務額により費用も大きく異なってきますので、実際に法人の債務整理を考えている場合には弁護士にご相談して費用についても聞いてみないことには何ともいえないというのが正直なところです。上記はおおよその目安と思ってもらえればと思います。
個人・法人同時にやる場合の債務整理費用
法人が負う債務については会社の代表者が連帯保証人になっていることが多いかと思います。そのような場合には、会社の経済状況が困窮し債務を支払えなくなってしまえば、会社の代表者がこれを支払わなければならなくなります。もっとも、会社の経済状況が困窮している場合に、会社の代表者の経済状況が良好ということは普通は考えにくいので、そもそも会社が負う債務を個人で支払えることはなかなかないでしょう。
このような状況から、法人破産する場合には代表者個人も同時に破産することが多いです。
この場合個人破産の方も管財事件となりますが、予納金は法人の破産と兼ねることができるので、予納金について2倍かかるというようなことはありません。それ以外の費用については個人・法人各々にかかる費用がかかることとなります。