B型肝炎給付金って?
B型肝炎給付金とは、B型肝炎に感染している方やB型肝炎でご家族を亡くされた方に対して、一定の要件を満たす場合には、その症状に応じて最大3600万円給付されるお金のことです。
これは、時限立法と呼ばれる期間限定の特別な法律(B型肝炎特別措置法)によって認められている給付金ですので、B型肝炎に感染されている方は、まず何はともあれ、B型肝炎給付訴訟を取り扱っている弁護士に相談されることをお勧めします。 給付金支給の要件を満たすかは、素人的には判断しづらいものですし、この給付金を認める法律が平成29年1月12日までに訴訟提起することを義務付けていますので、訴訟準備までの期間を考えると、残された時間は少ないといえるからです。
どうして給付金がもらえるの?
この給付金は、そもそもはB型肝炎患者が国家賠償請求を起こしたことから認められるようになったものです。国家賠償というと、何事かと思われる方もいるかもしれませんが、かつて国が義務付けていた集団予防接種に際して、注射器の使い回しがされていたことによってB型肝炎に感染してしまった被害者が推計で40万人以上いるとされているのです。これは、明らかな国の落ち度であり、本来国は、この予防接種によってB型肝炎に感染してしまった人たち全員に治療費や慰謝料などを賠償すべき責任があります。
その責任を果たすことを求めて、国家賠償請求訴訟が提起され、平成18年6月16日には、国の責任を認める最高裁判所の判決が出されていました。
しかし、その後も国が全体的な救済対策を取ることをしなかったために、平成20年より、全国10地裁で被害者が集団で提訴するに至りました。そのような流れの中で、平成22年5月より、札幌地裁で全国の原告および将来提訴原告を対象とした和解協議が全国原告団と国との間で始められ、平成23年5月13日、札幌地裁の和解所見を原告と国の双方が受諾し、平成23年6月28日、国(総理大臣)の正式な謝罪を受けて、国と全国原告団の間で、B型肝炎特別措置法の基礎となる基本合意が成立したのです。
このB型肝炎特別措置法の画期的なところは、被害が発生したのが数十年前ということが通常であるこの問題の「立証」を緩やかにした点にあります。
つまり、B型肝炎患者やB型肝炎で家族を亡くした方としては、国の過失でB型肝炎に感染させられたという事実について、通常の裁判で求められるほどの厳格な立証は必要とされておらず、その特別措置法が定める要件さえ満たしていれば国の責任によりB型肝炎になったものとみなして給付金(本来的には賠償金)を支給することが認められたのです。
これにより、訴訟の負担は著しく軽減され、訴訟提起から給付金支給までの時間や費用が大幅に削減されました。また、そうはいっても訴訟提起という専門的手続を要することになりますので、通常は弁護士に依頼される方が多くなります。そこで、給付金の4%相当額の弁護士費用も国から補助されることになっています。
給付金がもらえる要件は?
給付金がもらえる要件は、簡単に整理すると
・ 昭和16年7月2日~昭和63年1月27日に生まれていること
・ B型肝炎に持続感染していること
・ 満7歳になるまでに集団予防接種又はツベルクリン反応検査を受けたこと
・ 集団予防接種等以外に感染原因がないこと
となります。また、上記要件を見たす母親からの母子感染によって感染された方でも給付金支給の対象となりますし、上記要件を満たす方が亡くなられている場合にはその相続人が給付金支給の対象となります。
また、より具体的な要件については専門家に相談するのが最も早いと思われますので、B型肝炎に感染している方や、そのご家族などは、まずB型肝炎給付訴訟を取り扱っている専門家に相談してみることをお勧めします。