メリットあるの?弁護士の顧問契約の意味は?
- 2015/8/12
- diary
弁護士との顧問契約とは?
弁護士との顧問契約は、通常は会社や事業主が日々発生する法的問題についてはすぐに相談したり場合によっては動いてもらったりするためにする契約のことを言います。
顧問契約の形態も様々ですが、通常は、毎月一定の顧問料を支払うことで、ある程度までの法律相談や調査、契約書レビューなどは無料(というか顧問料の範囲)で対応してもらうということが多いように思います。あとは、顧問料の範囲外の事件を引き受ける場合に、着手金や報酬金を通常の基準より割り引くこともあります。
また、顧問弁護士がいるということで、ハクが付くというか、ある程度しっかりした会社なのかなと思ってもらえる効果を期待する経営者の方もいるようです。
ただ、日々弁護士に相談しなければならない法律問題が発生する事業はかなり特殊か大きな規模のものであることが多いでしょう。
一般の中小企業が弁護士と顧問契約を結ぶメリットはあるのかというと、私はあると思うのですが、経営者としては、顧問契約を結ぶ前に、顧問弁護士に期待することは何か、を明確にしておき、その期待に答えるとすればどれくらいの報酬を払ってもいいのかを考えてみるべきです。
また、それらを明確に伝えることで、弁護士側も必要な報酬の見積をより正確に出せることになります。
顧問弁護士への相談内容は様々考えられますが、一般的に多い所でいうと、労働問題に関することが多いのではないでしょうか。たとえば、解雇したい従業員がいるが解雇できるか、残業代の請求をされたが支払わないといけないか、パワハラやセクハラで訴えられた、労災について対応してほしい、などです。他にも、従業員が逮捕されたので刑事弁護人として動いてほしい、などもあるでしょう。
弁護士顧問契約の費用はどれくらい?
では、弁護士顧問契約の費用はどれくらいでしょうか。これは本当にピンきりですが、一番多いのは月5万円くらいではないでしょうか。
ただ、極端な例を言えば、無料とすることもあるでしょうし、月100万円以上の顧問料というのも聞いたことがあります。
いずれにしても、顧問弁護士に何を期待するのかによって、かかってくる月額顧問料も大きくことなってきます。
月5万円の弁護士顧問契約であれば、月3~5件の法律相談をすれば一応のもとはとれているということができるかもしれません。
しかし、月ごとにもとを取っていくという発想よりも、長期的スパンで見たときに、弁護士との信頼関係を深めておく、いざというとき他の事件に優先して動いてもらう、事件を依頼する際の報酬を割引してもらうなどの効用を考えておく方がいいと思います。
毎月もとを取らなきゃと思ってしまうくらいの顧問料は、事業規模などに見合っていない可能性もあります。いざというときの保険料だと思えるくらいの金額で、期待することとのバランスを取って、契約内容と顧問料の妥当性を考えましょう。
やってて良かった弁護士顧問契約
一番のメリットは、弁護士を探す手間がいらないということです。弁護士であれば、どんな法律問題でも一応の対応ができることがほとんどです。
また、顧問弁護士の専門外のことを依頼したいというときでも、顧問弁護士から専門の弁護士を紹介してもらえることが多いのではないでしょうか。餅は餅屋、とはちょっと違うかもしれませんが、弁護士を選ぶのは弁護士が一番いいのではないかと思います。
たとえば従業員が捕まったとか、会社の口座が仮差押えされたなど、緊急時にはすぐに弁護士に相談して依頼する必要が出てきますが、顧問弁護士がいるのといないのでは弁護士へのアクセスまでの時間や、実際に動く立場の弁護士の動きも違ってくると思います。
そういう有事の際は、「やってて良かった弁護士顧問契約」と思えるでしょう。逆に、そういうときでもそう思えないなら顧問料が高すぎるか顧問弁護士選びに失敗しているかだと思いますので、顧問契約の改訂、解消、弁護士の変更などを検討してみた方がいいかもしれません。
あと、実際に顧問契約を締結してみて「良かった」といわれる事が多いのは、「気軽にすぐ相談できる」という点です。おそらく多くの顧問弁護士は顧問先企業の相談を優先的に行うことにしていると思いますし、私なんかは顧問先には携帯番号等を伝えていますので何か困ったときのみならず「ちょっと聞きたい」レベルでも直通で気軽にすぐ相談してもらうことができるようにしています。
事業を行う上で法的な問題やリスクがないか分からないまま「なんとなく」でしてしまっている契約書の取り交わしや取引について「本当に大丈夫か」を適宜確認しながら進められるというメリットは想像以上に大きいといえます。
その意味で、私個人としては、全ての中小企業に顧問弁護士がいるべきだと考えています。顧問料は決して安いものではありませんが、サービス内容とバランスが取れている限り顧問弁護士を就けておくことは経営にとって大きなプラス(正確に言うと大きなマイナスを防ぐ意味で大きなプラス)になるでしょう。