著作権について知っておきたい5つのこと

著作権って何ですか?

著作権とは、著作物、すなわち、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸・学術・美術又は音楽の範囲に属するものを独占的に利用して利益を受ける排他的な権利のことをいいます。小難しい表現ですが、要は、書籍やCD、映画などの利益を自分のみが受けることができ、許可なく勝手に使うな!といった権利です。

映画や音楽の違法ダウンロードについて報道等で一度は聞いたことのある権利ではないでしょうか。著作物の利用にあたっては承諾や場合によっては利用料を支払わなければならない場合があります。これらを経ることなく著作権侵害した場合には差し止め請求や損害賠償請求、場合によっては刑罰が科される場合などもあります。

昔話や伝統音楽に著作権はある?

上記のような定義からすれば、たとえば桃太郎は言語著作物として著作権の保護対象になりそうです。また、どんぐりころころも音楽著作物ですから著作権の保護対象になりそうです。しかし、桃太郎は誰が書いたかわかっていませんから著作権者がいません。これに対して、どんぐりころころは、作詞・青木存義、作曲・梁田負ですから(いま初めて知りました)、この人たちが著作権者といえそうです。

結論から言えば、桃太郎もどんぐりころころも著作権はありません。というのも、著作権の発生には、いかなる方式の履行も必要とされておらず、創作と同時に発生しますが、無名・変名著作物や映画著作物等の一部例外を除き、原則として創作時から著作者の死後50年が著作権の保護期間とされています。

どんぐりころころの著作権は両名の死後50年が経過しているので、著作権はないといえるでしょう。桃太郎はそもそも作者不明なうえ、公表後50年が経過していることは明らかですから、著作権はないということになるでしょう。

このようにたいていの皆さんが想像する昔話や童謡、伝統音楽などには著作権はないといえるのですが、実は著作権があったりする場合もあります。なので、当該著作物の利用について著作権フリーなのかどうなのかは一応調べてみるのがよいかもしれません。例えば、犬のおまわりさんは誰もが知っている童謡だと思うのですが、作曲者である大中恩氏が著作権者となっていたりします。

それ、著作権侵害です!ありがちな著作権侵害のパターン

まず、何が著作権侵害にあたるかを考えるに当たって、逆に著作権侵害に当たらない場合があることを見ておきたいと思います。それは、著作物の私的使用のための複製です。CDを音楽プレーヤーやスマホ・iPhone等に録音する場合は、通常自分やその家族が聞くために録音すると思います。このような場合は私的使用のための複製として著作権侵害とはなりません。また、テレビの録画や書籍のコピーも私的利用の範囲にとどまる限りは著作権侵害とはなりません。

私的に仕事に利用するとなると基本的には個人による利用とはいえないことから、私的利用にあたらないと考えられるので注意が必要です。また、複製の方法につき、公衆提供自動複製機器による複製は私的利用から除外されているので、この点も注意しましょう。公衆提供自動複製機器って何だよと思われるかもしれませんが、要するに店頭にあるコピー機やスキャナー、ダビング機によって複製した場合は著作権侵害となりますよということです。

この他にも図書館等における調査研究目的の複製や引用、教科書図書等への掲載、営利を目的としない上演等、著作権法上例外が設けられています。この例外に当たることなく、著作権者等の承諾なくして著作物を利用すると著作権侵害にあたることになるのですが、意外とその機会はあるように思います。

例えば、個人店を経営している人が店舗で自分で買ったCDを再生してBGMにしていた場合は著作権侵害となります。CDはあくまで私的利用を前提として販売されているのであって、営利目的に利用することを承諾するものではないということです。このことは、適法なダウンロード販売による音楽でも同様です。また、営利を目的としない上演が著作権侵害にならないとされているのですから、お金をとって上映会をやれば著作権侵害です。友達同士で映画のDVDを持ち寄って上映会をする分には著作権侵害となりませんが、町内会で入場料を採って上映会をすれば著作権侵害ということになりますね。

また、近時、というほどでもないかもしれませんが、誰でもブログを作成したり、TwitterやFacebookなどSNSを利用することができます。これらはインターネット上のサービスですから公開されていることを意識すべきなのです。つまり、友達に音楽の歌詞を書き写して送っても著作権侵害にはなりませんが、これをブログに書いたりツイートしたりすれば著作権侵害となり得ます。

なお、書き写せば全て著作権侵害になるかというとそうとも限りません。著作権侵害に当たらない例外のひとつとして引用という制度があります。この記載箇所は引用だとわかるように転載すれば著作権侵害にあたらないということになります。もちろん、内容全てを転写すればそれは引用とはもはやいえない場合もありますから、ケースごとに判断するしかないでしょう。もし引用するのであれば、明記することは忘れないようにしなければなりません。

また、学祭や町内会での催し物なので甲板や小道具に漫画やアニメ、実在店舗のマーク・商品写真等を無断で使用することも著作権侵害にあたることがあります。また、有名なものでなくても、他人が撮影した風景画や肖像画などがネット上でアップロードされているからといって承諾なく使用すると著作権等の知的財産権の侵害に当たり得ます。とはいえ真似したつもりはなくても真似したと言われる可能性も否定できません。どれほどの類似性があるか、偶然の一致ではないかなどが問題となりますが、実際に比較検討しなければわからないような場合もありますので、困った際には弁護士・弁理士などに相談するのがよいでしょう。

著作権と特許と意匠の違い

著作権は、知的財産権の一種です。つまり、この知的財産権は著作権以外のものが存在します。特許権、意匠権、商標権、実用新案権などがあります。この他にも、半導体集積回路の回路配置に関する法律上の回路配置権や、種苗法上の育成者権など、実は多くの知的財産権が存在しています。

このなかでも特に日常や仕事などで遭遇する可能性の高い特許権と意匠権について著作権と比較しつつみていこうと思います。

まず、特許権とは、人間の知的創作活動の所産である創作物に対する権利、といわれたりしますが、つまり対象は「発明」であるということです。この点、著作権はあくまで表現そのものを保護する権利であって、表現しようとするアイデアを保護していないという点で両者の違いがあります。また、著作権は、表現と同時に権利が発生しますが、特許権は、発明の完成と同時に特許を受ける権利を取得するのみで、これを特許庁に出願しない限りは特許権は取得することはありません。また、先に発明していたとしても先にこの出願をした方に特許権が付与されるという仕組みが採用されています。なので発明を事業としている企業にっては、特許をいかに他社に先駆けて取るかが、かなり重要な経営戦略となります。

意匠権とは、物品又はその部分の形状・模様・色彩又はこれらの結合であって美感をもつ創作のうち工業上利用できるものについての権利のことです。つまり、デザインを対象とする知的財産権です。意匠権も特許権同様、登録しなければ認められない権利です。もっとも、例えばはさみの形など物品の機能を確保するために不可欠な形状といえるような場合には意匠登録として認められません。

著作権侵害か心配になったら

この使い方をしたら著作権を侵害することにならないだろうか、という疑問をもったときどうすればいいかですが下記のような相談窓口が設置されています。

公益社団法人著作権情報センター(CRIC)
「著作権テレホンガイド」 http://www.cric.or.jp/counsel/

また、弁護士や弁理士に相談することもおすすめですが、費用がかかってしまうことが多いのが難点かもしれません。

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