マイナンバー制について知っておきたい5つのこと

その1ーマイナンバー制って何?

マイナンバー制度は、住民票を有する全ての人に12桁の個別の番号を割り当て、その番号により、(当面の間は)社会保障、税、災害対策において各機関の有する個人情報が同一のものであることを確認すること等により、

・ 公平・公正な社会の実現

・ 国民の利便性の向上

・ 行政の効率化

を図るために作られる制度、とされています。

一義的には、正に行政に関連して行政の効率化や行政サービスを受けるための国民の利便性の向上という意味合いが強い制度ですが、民間での活用も期待されている制度でもあります。なお、個人だけでなく法人にも法人番号が割り当てられることになります。法人番号は13桁です。

また、マイナンバーは原則として一生変わることがありません。ただし、漏洩により不正に使われるおそれがある場合などは変更できるものとされています。

 

その2ーいつから始まるマイナンバー制

マイナンバー制度は、平成28年1月からスタートします。

具体的には、平成27年10月から住民票を有する全ての人に個人番号が通知され、平成28年1月からは、社会保障、税、災害対策の行政手続でマイナンバーが必要となるとされています。

なお、平成30年から銀行口座にも任意でマイナンバーの登録がされる方向の改正案が既に検討されており、いずれ全ての預金口座にマイナンバー登録が義務付けられるのではと考えられます。

 

その3ープライバシーは大丈夫?

マイナンバーは当面の間は社会保障、税、災害対策の分野で利用されることが予定されていますが、個人番号カードに組み込まれるICチップの空き容量を活かして民間でも様々な活用が期待されるものですし、今後は個人の預金などにもマイナンバーとの紐付けが義務付けられていく予定です。

そうなると、当然、個人情報、プライバシー保護のための対策が必要になります。

これについて最も大きな対策は、マイナンバーと紐付いた個人情報をどこか1つの機関に集約した一元管理するのではなく、分散管理する方式を採用したことです。利便性という点では一元管理の方が高いのかもしれませんが、個人情報やプライバシーの観点からこのような管理方法が選択されました。

その他にも、漏洩した場合の刑事罰の制定や、特定個人情報保護委員会というマイナンバー利用についての監視監督機関を置くなどして、個人情報やプライバシーが不正に侵害されないように対策を採っています。ただし、こういった制度の不正利用を完全に防ぐことは不可能といってもいいと思います。そのため、万が一マイナンバーが漏洩して不正使用されるおそれがある場合などは、マインバーの変更などもできるようになっています。

なお、自分のマイナンバーを利用して個人情報がどのようにやりとりされているかが分かるシステム(通称マイナポータル)が平成29年1月から提供される予定です。これにより、個々人が自分のマイナンバーの利用状況をリアルタイムに知ることができ、結果として不正利用の早期発見に繋がること等が期待されています。

 

その4ーマイナンバー制で気を付けるべきこと

自分のマイナンバーではなく他人のマイナンバーを取り扱う必要がある人の方が気をつけるべきことがあるのは当然ですので、ここでは他人のマイナンバーを取り扱う必要がある場合の注意点などについて解説します。

まず、確実に他人のマイナンバーを取り扱うことになるのは、人を雇用する事業者です。人を雇用する場合は、雇用保険や所得税などの処理が必ず付いてくるので、当面のマイナンバー利用分野である社会保障や税の分野にがっちり当てはまるというわけです。

なお、雇用している形態は無関係ですので、パートやアルバイト、契約社員、あるいは役員などであっても、雇用保険や税金関連の処理に何らかの形でかかわる以上はこれらの人のマイナンバーを管理することになります。ただし、派遣社員については、派遣元がマイナンバー管理の責任を負うことになり、派遣先はこれを管理する必要がありませんし、逆にしてはならないともいえます。

そうなると、マイナンバーの管理負担を避けるためにパート・アルバイトを直接雇用するのではなく派遣社員に変えてしまった方がいいなと考える事業者も出てくるかもしれませんね。

いずれにしても、人を雇用している事業者は従業員のマイナンバーを管理しなければいけないのですが、雇用者が従業員のマイナンバーを強制的に集めることはできないこととされています。プライバシーへの配慮といったところでしょうが、これは事業者としては辛い所です。事業者としてはその必要性をしっかりと従業員に説明周知し、マイナンバーを集めるところからスタートする必要があります。

他人のマイナンバーを管理する人が注意すべきポイントは

・ 目的外利用をしない

・ マイナンバーの提供を求めることが法で認められているケースか確認する

・ 本人確認を確実の行う

・ 情報の安全管理対策を採る

ことが求められているという点です。その他も実務上かなり大きな影響がありそれぞれに注意すべき部分もあるのでしょうが、ひとまず上記4点はしっかりと頭に入れておいた方がいいでしょう。

 

その5ー結局、マイナンバーで僕らの暮らしの何が変わる?

マイナンバー制度は、他人のマイナンバーを管理する必要のある人にとっては、かなり大きな影響がある制度です。

基本的に他人のマイナンバーを管理することがない、個人の暮らしは、どう変わるんでしょう?

正直、こう変わる!と断言できるほど自信はないのですが、いつか遠くない未来に実現しうるものとして、少なくともマイナンバー制度の目的の1つである「国民の利便性の向上」という点で期待されているのは、引っ越しや出生、結婚、死亡などのライフイベントの際に必要となる行政手続が簡略化されることが第一に上げられます。

また、既にコンビニなどで住民票の写しを受け取れるサービスを始めている市区町村が増えていますが、マイナンバー制度の導入によりこういった動きが加速することも考えられるでしょう。

さらに、個人番号カードのICチップの空き容量を利用するなどして、民間で様々なサービスが提供されていくことになることも期待されます。

本当にそんな世界が実現するのか、まだまだ未知数な部分はあるのですが、少なくともそのポテンシャルはあると言える制度かもしれませんね。

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