B型肝炎患者は日本に110万人以上！

B型肝炎の持続感染者は日本に110万から140万人いるといわれています。B型肝炎ウイルスの感染経路としては、かつては輸血や母子感染などが多かったのですが、現在ではそれらの感染経路への対策も十分に取られており、輸血や母子感染などによる感染のリスクは現在ではほとんどないといっていいでしょう。

また、かつては、国が義務付けていた予防接種の際に注射器の使い回しをしていたことで、多数の子どもたちにB型肝炎ウイルスを感染させてしまったこともあります。その数は、推計で最大40万人以上と言われており、その被害者には国から最大3600万円の給付金が支給されることになっています。ちなみに、この被害者にあたるかどうかは自覚の無い人も多いので、B型肝炎の方は一度は自分が給付金支給の要件に当てはまるか確認した方がよいでしょう。これについては多くの法律事務所や弁護士が無料相談もしてくれていますので、自分で調べるのが面倒だと思われる方も、弁護士に相談してるといいと思います。

現在の感染経路としては、性交渉、覚せい剤使用の注射器使い回しなどが多いようです。

なお、母子感染のことを垂直感染、性交渉や輸血等での感染のことを水平感染などといいます。

隠れB型肝炎？

B型肝炎には2種類の感染があります。一過性感染と持続感染です。一過性感染は症状がすぐ出るのに対して、持続感染はすぐには症状が出ません（無症候キャリア）。症状の出ないB型肝炎持続感染（無症候キャリア）のことを隠れB型肝炎と呼んだりもします。

B型感染ウイルスであるHBVは、成年であれば免疫機能が備わっており症状が基本的に出ません。一部の人は一過性の感染で急性肝炎を発症しますが最終的には治癒されます。この場合基本的にウイルスは体外に排出されています。

もっとも、免疫機能が備わっていない未熟な乳幼児などであればウイルスと認識せずに肝炎を発症せず、ウイルスが体外に排出されないまま体に残存してしまいます。体に残存し症状が出ない無症状期を経た後約90％の方が肝炎期を経て肝炎沈静期、無症状性期に戻るとされます。逆をいえば、約10％の方は慢性肝炎となり肝がんや肝硬変などの症状が現れます。なお、近年では、ジェノタイプA型と呼ばれる欧米型等の外来種のHBVに感染が増えており、これらに感染した場合には、比較的高率に慢性化を起こすことが知られています。

この隠れB型肝炎の患者の方は予防接種等による感染や母子感染が感染経路となっていることが多く、最大3600万円のB型肝炎給付金の対象者となります。無症候キャリアの方であっても給付金対象の要件さえ満たしていれば給付金が支給されます。

B型肝炎ってこんな症状

B型肝炎の一過性感染であれば、急性肝炎の症状が出現します。全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、褐色尿、黄疸などが症状となります。

一方、持続感染であれば一過性の肝炎を発症するものの基本的に症状が出ません。慢性肝炎が発症した場合でも、一般に急性肝炎でみられる症状は出現しにくく自覚症状はほとんどありません。ただし、場合によっては急性肝炎と同様の症状が出ることがあります。

どうすればB型肝炎かどうか分かる？

B型感染かどうかは血液検査によって分かります。具体的には、HBs抗原やHBc抗体についての血液検査で陽性反応が出た場合はB型肝炎ウイルスに感染しているといえます。

自治体等が実施している健康診断ではHBs抗原についての血液検査が含まれていないことが多いので、健康診断の際にHBｓ抗原についての血液検査を希望するか、各自治体が実施するB型肝炎の無料検査を受診することができます。また、職場の健康診断や献血の際に分かることもあります。