B型肝炎給付金をもらうまでの流れ

面倒だしお金もかかる?誤解です!

B型肝炎給付金とは、予防接種によってB型肝炎にかかってしまったとされる推定40万人以上の被害者を対象として症状等に応じて最大3600万円が支払われる給付金です。

この給付金を受け取るためには裁判を提起して和解に至るという手続が必要です。裁判というと面倒でお金もかかると思われる方もおられるかもしれませんが(そしてそれはだいたいあっているのですが)、B型肝炎給付金請求訴訟については、特別法によって規定されたある種特別の裁判で、裁判自体の面倒さはそれほどなく、お金も弁護士費用として給付金の4パーセントが国から支払われる上、この訴訟については着手金はもらわない弁護士や法律事務所が増えているので、お金の負担もそれほどないと言っていいと思います。

B型肝炎にかかっている方のうち3分の1程度の方がこの給付金を請求できる可能性があります。

特別法の期限は平成29年1月12日で、この日までに裁判を提起する必要がありますので、B型肝炎にかかっている方は、まず、弁護士に相談してみるのがいいと思います。

 

流れ1-自分がB型肝炎か知る

B型肝炎給付金を得るには、当然ですが自分がB型肝炎にかかっていること又はご家族がB型肝炎で亡くなられていることが必要です。

B型肝炎の検査自体は自治体でも実施していますし、健康診断などでも行うことができます。

もちろん、自分で病院に行って検査してもらっても構いません。

そこで、B型肝炎ウイルスに感染していると診断されれば、給付金をもらう対象となっている可能性があります。

 

流れ2-弁護士に相談

B型肝炎ウイルスに感染していることが分かれば、次は弁護士に相談してみましょう。

厚生労働省のサイトや各種法律事務所などのサイトを見て勉強するのも有用ですが、実際に電話して聞いてみる方が早いケースもあります。調べるのが面倒くさい方はすぐに無料相談してくれる弁護士や法律事務所に連絡を取ってみるといいと思います。

ただし、相談時に、B型肝炎給付金の対象となるかどうかを確定的に答えられることはあまりないです。

B型肝炎給付訴訟は、裁判自体はそれほど面倒ではないのですが、一定の要件を満たすかどうかに検査が必要なことなどもありますし、医療記録などを証拠提出する必要があるので、それらの記録を揃えてみないことには、給付金対象者となっているか分からないということです。

 

流れ3-弁護士と一緒に資料を集めよう

そこで、ひとまずその要件を満たすか調査しましょうということになります。調査といっても、医療記録などの必要書類を揃えていくだけです。必要書類や必要な検査は、依頼した弁護士が指示してくれるはずですので、それに従ってひとつひとつ資料を集めていきましょう。

 

流れ4-いざ、訴訟提起(大したことじゃありません)

ある程度資料を集めて、これは要件満たす、と弁護士が判断すれば裁判を提起することになります。

裁判というと大げさに聞こえるかもしれませんが、特に本人が出廷する必要はなく、依頼した弁護士が代理人として出廷してくれますので、依頼者としては裁判の報告などを聞くだけで大丈夫です。

また、この裁判は通常の裁判と異なり、和解できるだけの資料が揃っているかを確認する作業に近いといえます。

そこで、被告である国も、「このような資料はありませんか?」などと資料の提出を求めてくることがあります。その資料についてはまた次の期日までにこちら側で出来うる限り収集して、裁判所に提出しておきます。

これを数回繰り返し、どうしても要件を満たさない場合には和解できず裁判を取り下げたりすることになりますが、多くは和解に至ります。

 

流れ5-いざ、和解!

いざ、和解ということですが、和解調書に記載される金額は、あらかじめ決まっており、次のとおりです。

 

B型肝炎給付訴訟で和解調書に記載される給付金の額

死亡・肝がん・重度の肝硬変 3600万円
死亡・肝がん・重度の肝硬変(発症後(再発の場合は再発後)20年経過している方) 900万円
軽度の肝硬変 2500万円
軽度の肝硬変(発症後20年経過している方で、治療を受けたことがある方) 600万円
軽度の肝硬変(発症後20年経過している方で、治療を受けたことがない方) 300万円
慢性肝炎(発症後20年経過していない方) 1250万円
慢性肝炎(発症後20年経過、現在治療中の方等) 300万円
慢性肝炎(発症後20年経過、現在治療していない方等) 150万円
無症候性キャリア(感染後20年経過していない方) 600万円
無症候性キャリア(感染後20年経過した方) 50万円+検査費用等

流れ6-そして給付金請求へ

和解が成立した後は、その和解調書を付けて給付金の請求を社会保険診療支払基金宛に行います。

ここまでくれば給付金支給まで待つだけ、となります。

ちなみに、弁護士に相談して依頼して裁判して給付金を得るまでによほどスムーズに資料収集などができない限り、1年程度はかかると思っていただいた方がいいと思います。

 

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