B型肝炎給付金とは？

B型肝炎給付金とは、B型肝炎に感染している方やB型肝炎でご家族を亡くされた方に対して、一定の要件を満たす場合には、その症状に応じて最大3600万円給付されるお金のことです。これは、時限立法と呼ばれる期間限定の特別な法律（B型肝炎特別措置法）によって認められている給付金となります。

全てのB型肝炎に感染した方が給付金を得られるわけではないということには注意が必要ですが、ご自身が給付金支給の対象になっているかどうかは専門家に相談すれば分かることが多いですし、B型肝炎給付についての無料相談をしている法律事務所や弁護士も増えていますので、B型肝炎にかかっている方はまず気軽に相談されてみると良いと思います。

給付金支給のために必要な検査

B型肝炎給付金を得るためには、当然ですが、まずB型肝炎に感染していることを証明しなければなりません。そもそも、B型肝炎とはB型感染ウイルス（HBV）が血液・体液を介して感染して起きる肝臓の病気ですから、血液を検査することによって感染しているか否かを判断することができるのです。

具体的には、

① 6か月以上の間隔をあけた連続した2時点における、以下のいずれかの検査結果

・　HBs抗原陽性

・　HBV－DNA陽性

・　HBe抗原陽性

② HBc抗体陽性（高力価）

が必要となります。なお、これらの形式的にはこれらの要件を満たさない場合でも、医学的知見を踏まえた個別判断により、B型肝炎ウイルスの持続感染が認 められる場合があります。

このHBs抗原の血液検査はほとんどの医療機関で受けることができますが、お住まいの市町村の保健所や指定医療機関であれば無料で受けることもできます。お住まいの市町村に確認してみるといいと思います。また、職場での健康診断でもオプションなどで受けることができる場合が多いのではないでしょうか。

予防接種したか記憶も記録もない場合

B型肝炎給付金は、かつて義務付けられていた7歳までの予防接種の際に注射器を使いまわしたことでB型肝炎ウイルスに感染してしまった人を対象とする給付金ですので、7歳までに予防接種を受けていることは最低限必要な要件となります。

ただし、予防接種は乳幼児の時期に行われており、注射器を使いまわしていた時期も一番近いところでも25年以上前になるので、予防接種の記憶はもちろん、記録となる母子手帳やカルテなども残っていないことが多いです。

そこで、B型肝炎に持続感染している方に予防接種痕が残っている場合には、特段の事情がない限り7歳までに予防接種を受けたものとして扱うこととされています。

なお、予防接種痕は、通常は左二の腕にあることが多いと思いますが、稀に、臀部などにあることもあるようですので、二の腕に接種痕がない方は臀部をよ～く観察してみるといいかもしれません。まあ、自分では分からなくても、お医者さんが接種痕ありといってくれればいいので、B型肝炎に感染していることが分かったら、弁護士に相談しながら医師に接種痕などを見てもらうべきでしょう。