絶対に知っておきたい、痴漢に間違われたときの正しい対処法
- 2015/8/7
- 刑事弁護
痴漢冤罪は予防策を取るのがベスト
社会問題化しているともいえる、痴漢冤罪ですが、そもそもどうして痴漢冤罪が起こってしまうのでしょうか。
そもそも本当はやっている、とか、被害者の自演、などの極端な例も無いわけではないのですが、実際に、被害者としてはこの人が犯人で間違いないと思っているが真実は違うというケースも相当数あるように思います。
一度、痴漢に間違われると非常にやっかいです。警備員や駅員、警察官なども基本的には被害者と主張する女性の意見を無視もできないので、「お前やったのか?本当にやってないか?」のような対応をしてくることがあるでしょうし、対応を誤れば逮捕勾留されて最大23日間の身体拘束をされてしまう可能性もあります。
ですので、痴漢冤罪については、予防が一番です。女性の近くには出来るだけ立たない、立たざるをえない場合は両手とも吊り革をつかんでおく、などが基本的でありながらかなり有効な予防策です。
しかし、もしも自分が突然痴漢に間違われてしまったら、どうすべきでしょうか。
これは、予め考えておかないと、「痴漢です!」と言われて腕を掴まれた瞬間、あまりにも不意を突かれますので非常に動揺しますし、恥ずかしくなったり、カッとなってしまったりで対応を間違えてしまう可能性があるので、頭に入れておいて損はないと思います。
冷静に、明確に、真剣に否定する
一番重要なのはこれです。
必ず、冷静に、明確に、真剣に否定しましょう。「はぁ?!お前のケツなんか触りたくないわ!」とか暴言を吐いちゃダメです。
「いや、絶対に私じゃありません。あなたが誰かに触られていたとしたら人違いです。」
このようにまず否定しましょう。ヘラヘラしちゃだめです。真剣に、自分は絶対に嘘をついていないということを分かってもらえるように目を見て伝えましょう。
駅員が来ても同じです。
駅員に対しても女性に対しても、冷静に、明確に、真剣に、です。イライラしちゃダメです。紳士的に、しかし力強く否定し続けましょう。
また、スマホなどで録音をするのもいいかもしれません。証拠を残すという意味もありますが、録音していると思うと自分も冷静になれるものです。
名刺を渡せば立ち去っていいと思わない
名刺を渡して立ち去ればよいという意見も聞きますが、普通に考えて、それで立ち去れますかね?
被害者もかなりの勇気を振り絞って「痴漢です!」と言っていますから簡単には帰してくれないでしょう。また、名刺渡して立ち去ることにばかり意識がいってしまうと、挙動が不自然になり、「こいつやってるな」と周囲から誤解されてしまいかねません。
しかし、穏便に立ち去れるなら、それはそれで良い選択だと思いますので、よく状況を観察しながら、立ち去れるようであれば立ち去るというのも頭に入れておいていいかもしれません。
全力で逃げ出さない
全力で逃げろという意見もあります。人質司法と呼ばれる日本の司法制度の問題を痛感させるアドバイスですが、お勧めできません。
逃げたってことは犯人だろうと思われてしまう可能性があり、後日の捜査で特定されてしまうと目も当てられません。また、自分としてもいつ捕まるか分からないという不安の中で暮らさないといけなくなります。
全力で逃げるのだけはやめましょう。
名誉毀損で告訴すると言わない
名誉毀損で告訴すると女性に伝えるという意見もありますが、私はお勧めしません。
女性も攻撃されて引くに引けなくなってしまうかもしれませんし、そもそも女性は本気で自分のことを犯人だと思っている可能性があり、そうであれば名誉棄損罪は成立しません。
駅員室に行かない
駅のホームであっても端っこで話せば道行く人の邪魔にはなりませんし、駅員室に行く必要がそもそもありません。
駅員室に行って閉じ込められても、こっちにとっていいことはほとんどないでしょう。
ですので、とにかく電車から降りてホームの端で凄みをもった紳士的態度で否定し続けましょう。
駅員に対しても、最初から冷静に、しかし堂々と立ち振る舞うことが重要です。
仮に警察を呼ばれた場合でも同じです。
最後の手段、弁護士召喚
どうしても女性も駅員も警察も自分のいうことをなかなか信用してくれず、警察署に行こうなどと言われた場合には、仕方ありません。弁護士を呼びましょう。
スマホなどで検索すれば刑事弁護の対応をしてくれる弁護士はすぐに見つかります。
仮に警察に行くにしても、弁護士と同席の上で、にしましょう。
お金はかかってしまいますが、仕方ありません。
ただし、都合よく来てくれる弁護士がいるかは運次第なところもあります。
あらかじめ、いくつかの弁護士のサイトをブックマークなどしておくのも手かもしれませんね。