お得!?競売不動産を買ってみませんか?

競売不動産って?

家を買うというと、不動産屋さんに行って、というのが普通に家を買う方法ですが、競売(けいばい)という言葉を聞いたことあるようなという方もいらっしゃると思います。また、実際に競売を利用しようとしてこのページに辿り着いたというような方もいるかもしれません。

そこで、競売とは何か、そのメリット・デメリット、具体的な買い方についてみていきましょう。

競売とは、売り主が多数の者に対して買受けの申出を行わせて、最高額の申出をした者に承諾を与える売買契約の方法、のことです。なんか小難しくなってしまいましたが、オークションのようなものですね。

法律上の競売は債権者が債務者に対して強制執行をする方法のひとつであったり、抵当権などの担保権の実行として行われるのですが、どちらにしろ、債務者が支払えなくなったから売りに出されたものが競売不動産と考えていただいてかまいません。

この競売不動産は基本的に誰でも買えます(債務者本人は駄目です)。誰かに競売不動産を買ってもらって、売却代金を債権者に行き着かせるということが目的だからです。

競売とはあくまで売買のための手段ですから、不動産を買うことに違いはありません。

競売は、お得に中古不動産を手に入れられるという点が最大のメリットなのですが、注意すべき点もあります。

そこで、競売のメリットやデメリットを見ていきましょう。

メリット・デメリット

特殊な物件を探せる

不動産競売の特色としては、普通であれば市場に並ばないような特殊な物件を見つけることができるという点があります。土地の形が三角形や極端に細いなど、通常市場において取引されないような土地などを見つけることができるかもしれません。また、公道に面していないなど市場で扱うにはやや難があるような土地もあるでしょう。このような土地はその難点もあって面積に比してお買い得な場合が多いです。

また、離島や山間部などの取引が頻繁に行われてはいない場所も売りに出されることがあります。市場価値がないため通常の取引では入手が困難であると考えられますが、比較的このような物件も競売物件であれば見つけやすいかと思います。

・情報が不足しがち

市場で購入する場合不動産会社から提供された情報を中心に必要な情報を逐一入手することができます。不動産の購入はそうそう何度もあるものではないというのが通常ですから、しっかりと情報を精査して購入するかどうかを考えたいところですよね。しかし、競売不動産にはこのような情報を逐一提供してくれる人がいません。裁判所は競売手続きの利用についてその手続き自体を提供するのみでサービス提供は行っておりません。したがって、どうしても市場取引と比べて情報が不足しがちです。

そこで、自分で情報を入手する必要があります。簡易的な情報は後で見るBITというサイトで確認することができます。評価書というものも見ることはできますが、不動産会社のサイト等と比べると見劣りするという面はぬぐえません。間取り図や設備等の情報が記載されていなければ、家屋内の写真といったものも掲載されていません。したがって、それ以上の情報は現地に見に行ったりするなどしなければならないでしょう。ただし、屋内の様子を見ることはできないでしょう。

ローンが組みにくい

多くの人が一括で不動産を買うことは少ないでしょう。多くの人は住宅ローンを利用して購入すると思います。この住宅ローンも現在では競売についても利用することはできます。とはいえ、通常の住宅ローンと比べれば利用できる可能性はやや低いというデメリットがあります。というのも、落札できるかどうかが不明なうえに、競売手続きを普段利用しないような個人からの住宅ローンの打診に銀行としては応じにくいからです。

もっとも、銀行側も競売用の銀行ローンを用意しているところもありますから、そのような銀行と事前に入念な打ち合わせを始めることからかと思います。

瑕疵担保責任がない

売買契約などにおいては、買った物に瑕疵、例えば故障や欠陥などがあった場合には売主に対して損害賠償請求をすることができるほか、場合によっては契約を解除することができると法律上定められています。もっとも、競売手続きには売主が存在しない以上、この瑕疵担保責任を追及することができません。つまり、故障や欠陥が見つかっても自分で修理するしかないのです。ただし、評価書と比べて明らかに異なる点がある場合には売買許可決定の取り消しということもありえますが、あくまで裁判所の判断と言うことになります。

明渡しトラブル

競売手続きには売主がいないことから、明渡しを行う人もいません。裁判所は所有権の移転を行うのみで、現実に不動産を引き渡すといったことまでしてくれるわけではないのです。この引き渡し義務を負う人がいないということは現実に多くの問題をはらんでいます。

当該家屋に人がなおも住んでいる場合、通常は売主がこの人に立ち退いてもらったうえで引き渡す契約内容になっていることが多いのですが、競売の場合は落札した人が自らこの人の立退きを求めなければなりません。当該家屋に住んでいる人がもとの所有者であった場合などにはトラブルが生じることもありえます。つまり落札後もしばらくは住めないといったような場合があり得るということになります。

人が住んでいなくても家の鍵が入手できるかは場合によりますから、鍵が手に入らなかった場合には業者に依頼して解錠、新規の鍵の設置を行わなければなりません。

このほかにも建物内に前居住者の所有物と思われる物が残存しているなど引渡し時には種々のトラブルがあると考えておくのが賢明なのかもしれません。

本当にお得か

以上のように通常の売買に比べて多くのデメリットがあることは否定できません。とはいえ、このようなデメリットがあることはある意味で織り込み済みであることから、通常の市場価格の7割程度で不動産を入手することができます。この3割引きがデメリットも含めてお得と考えるかは人によるとしかいえません。

また、これらのデメリットも必ず起こるといったものではありませんから、場合によってはこのようなデメリットがほとんど生じることがないケースもあり、その場合は3割引きのみを享受できるということになります。ただし、この3割引も必ず保証されているわけではなく、一般にその程度のお得感があるといわれているだけです。入札者が多ければ高額になる可能性も否定はできないので注意が必要です。

これらのデメリットを回避するためにも不動産競売コンサルタント会社も存在します。基本的にコンサルタント会社が弁護士とタッグを組んで手続を進めて最終的に安全に依頼者の手元に不動産が行くようにお手伝いするといったサービスを提供しているようです。もちろん、仲介手数料がかかりますからお得度が減少しますが、デメリット回避ができるという点ではよい選択なのかもしれません。

物件を閲覧したい

実際に競売物件をみてみたいとお思いの方は、最高裁事務総局が運営するBITというサイトで簡単に見ることができます。競売物件の外観や場所について見られるほか、物件明細書、現況調査報告書、調査書という「3点セット」と呼ばれる書面を閲覧することもできます。

裁判所に赴いてこれらの情報を確認することもできますが、BITであれば全国各地の情報を見ることができるうえに、地域や沿線などで検索することもできるので、ここで気になる物件について目処をたてることができます。もっとも、上記書面上にはマスキングがされており、権利関係などは把握できないですから、最終的にはマスキングがされていない書面をみるために裁判所に赴いて確認する必要があります。

上記の3点セットについて見ておこうと思います。

物件明細書とは、裁判所書記官が作成した、買受希望者が買受申出をするか否かを決定する際に、目的不動産の情報を容易かつ正確に理解できるような記載がなされた書面のことをいいます。どの物件が競売の目的となっているかを明らかにするとともに、どの程度の価格で買えるのか、権利関係はどうなっているのかなどを明らかにして、買い受けるかどうかを判断するための情報が記載されています。

現況調査報告書とは、たとえば建物の場合であれば、建物の種類、構造及び床面積に概略、占有者の表示及び占有者の状況、占有者が債務者以外の者であるときは、その者の占有の開始時期、権原の有無及び権原の内容の細目についての関係者の陳述又は関係人の提示に係る文書、敷地の所有者の表示、敷地の所有者が債務者以外の者であるときは、債務者の敷地に対する占有の権原の有無及び権原の内容の細目についての関係人の陳述又は関係人の提示に係る文書のことです。

評価書とは、売却基準価格の決定を行う際の基礎となる事実が記載されています。つまり、周辺の環境や築年数等物件の情報について知ることができる書面といえます。

これら3つの書面は各地裁判所で閲覧できるほか、BITでも確認できますので、一度見てみるのがいいでしょう。

買うための手順

買うための手順は以下の通りです。

裁判所 入札者
公告など
不動産の選択
不動産の調査
入札期間
入札
開礼期日
売却許可決定
代金の納付期限
の通知
代金納付
所有権移転
登記
(引渡命令申立て)
(引渡命令)
不動産の引渡し

不動産の選択は、裁判所の掲示場の公告、BITなどの競売情報で競売不動産を選択することになります。

不動産の調査は、裁判所の閲覧室やBITで3点セットなどにより確認した後、現地や法務局などに赴いて自ら調査、確認をすることとなります。場合によっては内覧することもできますが、内覧できないケースもあります。ここでの調査を怠らないことが競売で失敗しないための最大のポイントかもしれません。

入札は、裁判所の執行官室で入札用紙等を受け取り必要事項を記入し、保証金を納付します。この保証金は売却基準価格の20%以上でなければならないとされています。入札できなかった場合には返還されますが、こちらから入札を取り下げることは認められていません。そして、入札期間内に入札書を提出することにより入札の手続は完了します。

代金納付は通知された期日までに振込ないしは持参により行います。銀行ローンも利用できる場合があるのは前に見たとおりです。納付しなければならない額は保証金を差し引いた額です。期限までに納付できない場合は、買い受けができなくなるほか、保証金は返還されません。ローンを準備しておくなど納付できる目処がたってから入札することが重要となります。

登記は、入札者が行う必要がなく、代金納付後に裁判所が行います。もっとも、銀行ローンの抵当権設定などは代金納付と同時に行うことが認められています。この費用は買受人の負担です。

引渡命令申立ては競売不動産に住む人が、権利がないのに立ち退かない場合に利用することになります。原則として代金を納付した日から6ヶ月以内に申し立てる必要があるのでご注意ください。競売不動産に人がいない場合は代金納付後に居住することができます。

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